2018年02月04日

連結納税の基本的な理解

1.連結納税制度とは

連結納税とは、経済実態上は一体とみなしうる連結グループをひとつの単位として、連結グループに属する各法人の所得金額と欠損金額を損益通算して、連結所得金額を計算の上、連結所得に対する法人税額について親法人がまとめて納税する制度をさします。
連結納税では、その連結グループが連結決算書を作成していた場合であっても、連結決算書上の当期純利益は使用しないで、あくまでも各々の会社の個別決算書の当期純利益をベースとして、連結所得の金額を計算していく手続きとなります。そして、親法人が納税した連結所得に対する法人税について、最終的には連結子法人との間で、個別帰属額の調整が行なわれます。
連結納税の対象となる連結グループとは、「内国法人である親法人」とその親法人との間に完全支配関係がある「内国法人である子法人」の全てとなります。
したがって、親法人との間に完全支配関係がある子法人は、そのすべてが強制的に連結グループに含まれることになり、各子法人について連結納税の範囲に含めるかどうかを任意に選択することはできません。
また、外国法人を連結親法人とすることも外国法人を連結子法人として連結グループに加入させることもできません。
連結グループ内に赤字法人がある場合には、その連結グループ内の黒字法人の黒字とその赤字法人の赤字とを相殺することができます。
また、連結親法人の連結事業年度において生じた連結欠損金額は、翌期以後9年間繰り越すことができます。ただし単体納税の場合と同様に損金算入限度額はあります。

2.連結納税のメリット

連結納税を導入することによるメリットには、「損益通算」・「親会社の繰越欠損金の早期解消」・「子会社の繰越欠損金の損金算入」などがあります。

①損益通算

連結グループ内に黒字の会社と赤字の会社がある場合に、連結納税を導入することにより損益通算され納税額が減少

②親会社の繰越欠損金の早期解消

連結親会社が赤字法人、連結グループ内に黒字の連結子法人がある場合、連結納税を導入することで、親会社の繰越欠損金を各連結事業年度の所得の金額の計算上損金算入可能

③子会社の繰越欠損金の損金算入

連結子法人が赤字法人で、連結親法人や他の連結子法人が黒字である場合に、連結納税を導入することで、その赤字子法人の繰越欠損金を各連結事業年度の所得の金額の計算上損金算入可能

3.連結納税のデメリット

連結納税を導入することによるデメリットには、「事務負担の増加と継続適用」や税務上の「連結子法人の繰越欠損金の切捨て」・「連結グループ内債権の貸倒引当金対象債権外」・「連結子法人の中小法人税制の不適用」などがあります。

①事務負担の増加

  • 連結納税に対する高度な知識と子会社含めた申告事務の増加
  • 一度選択すると任意にやめることができない

②連結子法人の繰越欠損金の切捨て

時価評価の規定の適用を受ける連結子法人が連結納税加入前に有する繰越欠損金は、連結納税開始時に切捨て

③連結グループ内債権の貸倒引当金対象債権外

連結グループ内債権は、一括貸倒引当金・個別貸倒引当金の繰入れ対象外となり、貸倒引当金が設定不可

④連結子法人の中小法人税制の不適用

連結親法人の期末資本金の額が1億円を超える場合には、連結子法人の期末資本金が1億円以下であっても、一括貸倒引当金の繰入れ、交際費の損金不算入の計算において、中小法人の特例計算を不適用

4.まとめ

連結納税の導入は事務負担等を勘案するとデメリットの方が大きい場合もあります。
本当に連結納税を導入することが企業にとってメリットがあるのか、しっかりと事前にシミュレーションを行う必要があります。
シミュレーションには高度な知識が必要となりますし、連結納税導入が自社にとってどのようなメリットをもたらすものなのか、外部専門家の知恵を借りて判断してみることも一つの選択肢といえるでしょう。

連結納税の相談事例

2018年02月25日 04時36分(匿名さんの相談)

以前に連結納税導入を検討したのですが、その際に自己創設暖簾の計上が議論となり、結局、連結納税の導入を見送りました。
少し前の税制改正で自己創設暖簾の計上は不要となったことが明確になった、と聞いたのですが、これはどのような根拠に基づくものなのでしょうか。
自己創設暖簾以外にもポイントになった税制改正があればご教示頂けますでしょうか。
宜しくお願い致します。

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