2018年02月08日

資金管理の留意点

1.資金管理とは

資金管理とは、企業の生命線を握る資金繰りを管理することであり、企業規模の大小を問わず重要な業務となります。
資金繰りとは、資金の収支予想を立て、支払予定日に資金残高が不足して支払不足になることがないように資金の残高を管理し、資金残高の不足が見込まれる場合には、事前に対策を立ててやりくりすることをさします。
なお、資金には「運転資金」と「設備資金」があり、したがって、資金繰りも「運転資金」の資金繰りと「設備資金」の資金繰りとに分けて考える必要があります。
さらに、「運転資金」の資金繰りは、経営が良好な会社であれば、運転資本(売掛金と在庫金額から買掛金をひいた差額)に見合う借入を行うことで賄うことができます。

2.資金管理の留意点

資金繰りという言葉から、資金のやりくりや資金調達というように「資金そのものの管理」であると理解されがちですが、資金繰りはそれだけではありません。
むしろ、資金繰りが悪化して黒字倒産する会社の多くが、過剰在庫などを原因とする資金繰り悪化によって倒産していることを考えると、資金管理において適切な在庫管理をすることも重要なこととなります。
さらに、経営が好調で損益が大幅に黒字であっても、大口得意先の売上債権が焦げ付いてしまう等により、将来回収見込みであった「運転資金」が減少して資金繰りが急激に悪化してしまうこともあります。
また、貸倒れにならなくても売上高が急増した場合にも一時的に「運転資金」が増加し、売上金回収までの一定期間は資金が不足します。したがって、資金繰りを考える上では、資金の管理はもちろんのこと、適切な在庫管理、さらに定期的な得意先の信用調査や過度な売上高増加を抑制させることも必要になってきます。
通常、中小企業及び小規模事業者において資金繰りは経営者の役目となっていますが、中堅企業以上の会社においては経理財務部門が担当しており、ある意味では営業部門の営業活動等に対してブレーキをかける役割となります。

3.資金管理のポイント

  1. 適切な資金残高について、資金繰り管理上、現預金残高として適切な水準は、月商の1ヶ月分くらいが一般的に理想と言われています。資金の全てを事業活動に投下してしまうのではなく、一定の資金を現金や普通預金等として保有しておく必要があります。
  2. 経営が良好な会社の資金繰りは、設備投資あるいは新規事業計画などによりまとまった資金が必要となる場合には、あらかじめ銀行融資等により、必要資金を手当てしておくことが重要となります。
  3. 経営状況が悪化している会社の資金繰りは、新たに銀行融資を受けることは困難なので、日繰り資金繰り表を作成し、手形決済日に手形不渡りにならないように、資金のやりくりを行うことが重要となります。そして、売上債権の入金を早くしてもらったり、仕入債務の支払期限を延ばしてもらったり、銀行とリスケジュールの交渉を行うなど資金をやりくりすることが必要となります。

4.資金繰り表について

キャッシュフロー計算書が上場会社等に対してその公表が義務付けられているのに対して、資金繰り表とは、資金繰りに役立てるために作成される内部資料であり、その作成は任意である点で相違があります。
資金繰り表を作成していると、将来的な資金不足をかなり早いタイミングで察知することができ、これにより対策としてとりうる選択肢が広がるという大きなメリットがあります。
また、逆に将来的に資金に余裕が出てくると見込まれる場合には、その余裕資金を事業活動に再投資するなどして、より資本効率の高い経営を行なうことが可能となります。

資金管理の相談事例

2018年10月10日 21時20分(匿名さんの相談)

これまで資金繰り表というのは作成してこなかったのですが、銀行より資金繰り表の提出を求められ、今後は資金繰り表の作成が必要となりました。他方で、弊社では年に一回決算書作成の一つにキャッシュフロー計算書があります。一般的には資金繰り表とキャッシュフロー計算書は同じ内容ということでいいのでしょか。基本的なご質問となりまして申し訳ありませんが、資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違い等についてアドバ...

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2018年01月20日 18時21分(匿名さんの相談)

これまで資金計画表のような、いわゆる資金繰り表の作成はしてきませんでした(事業も順調に右肩上がり、かつ、運転資金があまり必要な事業モデル)。
ただ、ここにきて事業の雲行きが怪しくなってきて、資金管理もきちんと行っていく必要がある状況となりました。
資金計画表を作成するにあたり留意すべきポイントを教えて頂けないでしょうか。

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