2018年02月13日

資本政策立案の検討意義

1.資本政策とは 

資本政策とは、株式公開(IPO)前後の株主構成、自社の事業計画、資金調達計画、事業承継対策や創業者利益の実現など、さまざまな事項を考慮して、第三者割当増資や株式移動などの方法により、株主構成の適正化を図ることをさします。 

2.資本政策における留意点 

資本政策の立案において、「今後3年から5年程度の事業計画・利益計画」、「上場市場・上場時期」、「安定株主持分比率」、「資金調達ニーズ」、「事業承継対策・創業者利益の実現」などがポイントとなりますが、相互に関連しているため、全体を鳥瞰したバランスの良い資本政策が必要となります。 

  1. 事業計画の分析により、ベンチャーキャピタル(VC)等は、投資の可否を判断 
    事業計画は、株式公開(IPO)するまでの3年から5年程度の売上・利益を合理的に策定する必要があります。その事業計画の利益水準によって、主幹事証券会社やベンチャーキャピタル(VC)などは、株式時価総額等を算定するため、事業計画策定は非常に重要な作業となります。 
  2. 明確な資金使途やマネジメントチームにより、安定株主持分比率を確保 
    設備投資、研究開発等を行うための資金調達ニーズが発生した場合、創業間もないベンチャー企業は信用力に乏しいため、銀行からの融資を受けにくい場合が多くあります。その場合には、VCや事業パートナーなどに第三者割当増資を依頼することになり、創業者含めたマネジメントチームの株式持分比率が過半数以上を確保できるか確認することが重要であり、普通株の第三者割当増資の結果、過半数を確保出来ない場合には、種類株を活用した資本政策も必要となります。 
  3. 同族間の資本政策は、株価が低いタイミングでおこなう 
    オーナー会社の場合は創業者利益の実現が、株式公開(IPO)の動機の一つになることがありますが、創業者利益を確保するために、上場時に大量の株式を売却してしまうと、同族の安定持分比率を確保出来なくなる場合もあります。それを避けるためには、資本政策の初期段階の比較的株価が低い時期に株式移動等を行い、同族関係者の持分を多くしておくことが有効です。 
  4. やり直しが効かないので、十分な検討が必要 
    融資と違って、一旦株式を付与してしまうと、普通株の場合は相手の同意がない限り、株式の買戻し等が出来ません。資本政策実施後、株式を付与した役職員が退社してしまうと、重要な経営課題の決議が出来なかったり、その後高い株価で買戻さなければならなかったりすることもあるため、十分な検討が必要となります。 

3.資本政策の方法 

  1. 株式移動 
    株式譲渡人及び譲受人合意のもと、既存株主である譲渡人が保有している株式を、譲受人である法人・個人等に譲渡すること。上場審査では譲渡価格が妥当な水準であるか否かを判断するために、第三者機関(公認会計士や税理士等)が作成した株価算定書の提出を求められる場合があり、第三者機関による株価算定を行っておくことをお勧めします。 
  2. 株式分割 
    株式を一定の割合で増加させるもの。分割後の発行済株式数は定款で定められた発行可能株式総数の範囲内に限定。上場時に株式は100株単位(1単元)で売買されることになっており、各証券取引所は1単元が50万円未満であることを推奨しているため、高くなった株価を株式分割して、売買しやすくなります。 
  3. 第三者割当増資 
    第三者に対して、新しく株式を発行して割り当てること。資本政策としては一番使われている方法であり、割当先はVCや従業員持株会、事業パートナーなどが多く、発行済株式数が増加するため、既存株主の持株比率が低下(希薄化)するので注意が必要となり、株式移動と同様に第三者機関の株価算定を行っておくことをお勧めします。 
  4. ストックオプション 
    役員や従業員に対して無償または有利な価格で発行された新株予約権。権利行使期間内に予め定められた権利行使価格を払い込むことによって、株式を取得することができ、株価上昇を通じてキャピタルゲインを与えることが出来るため、社内へのインセンティブプランとしての位置づけになります。

事業計画の相談事例

2018年10月26日 10時54分(匿名さんの相談)

来期の資金調達を反映した事業計画を策定しています。現在、金融機関から内諾を得た借入額を事業計画に反映しても未だ資金の不足がある状態です(暫く赤字を想定するため)。このような事業計画を策定することは問題ないのでしょうか。資金が不足しているものを事業計画と呼ぶことに違和感がある一方、未だ不足資金の調達先の見込みがない中で、それを織り込むことにも違和感を感じるところです。
どのように考えればいい...

2件の書き込み/ 2名の士業・コンサルタントが回答
2018年05月06日 09時30分(匿名さんの相談)

外部からの資金調達を検討しています。その中で退職金の引当計上要否の質問を関係者より受けました。当社は中小企業で資金の余裕があまりないため、年金の運用結果で受取額が変動するいわゆる確定拠出型のタイプを利用しています。その関係者は退職金規定があるなら引当計上が必要では、とのことでしたが、どうなんでしょうか。。

3件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
2018年01月29日 16時11分(匿名さんの相談)

外部からの資金調達を考えています。
事業計画の提出を求められているのですが、どのようなことを記載していけばよいのでしょうか。
最低限必要な項目とあった方がいい項目、等教えて頂けないでしょうか。

4件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
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