M&Aを成功に導くデューデリジェンス

2018年02月18日

デューデリジェンス(DD)とは、「M&Aを行う際に、買い手が対象事業者の経営状況を調査し、あるいは対象事業者が自社の経営状況を調査すること」です。
DD実施の最終的な目的は、対象事業者の株式価値や企業価値を適正に算定するために情報収集を行い、M&Aで不測の損害を被ることのないようにすることです。
各DDの概要を少し解説していきます。

1.財務DD

財務DDの実施は、M&Aで対象になる事業者を財務的観点から総合的に調査し、事業計画策定の指針にすること等を目的に、最終的にはM&Aの取引価格に直結してきます。
また、財務DDは自社の経営状況を金融機関等の外部利害関係者へ説明する際にも行われることがあります。他のDD実施(法務DDや事業DD等)における検出項目を定量的に評価し、最終的に事業計画数値に集約していく場合には、他のDDとの関連においても中心的な手続きとなります。

2.法務DD

法務DDの実施は、M&Aで対象になる事業者を法的観点から調査し、問題点を検出することです。実施目的は様々ですが、主として、対象事業者への投資可否、企業価値に影響を与える法的な問題点の有無や潜在的な経済的負担の検出、また、M&Aの実施スキームにおける手続きや法的リスクの有無を確認することです。
昨今では、日本国内のみならず、グローバルに展開する事業者とのM&Aも増えてきており、現地における許認可等の確認もM&A実施前にきちんと把握しておかなくてはなりません。そのような意味において法務DDの実施は、ますます重要な役割を担ってくることでしょう。

3.事業DD

事業DDの実施は、M&Aで対象になる事業者の事業性を評価し、事業計画策定の指針にすること等を目的とします。財務や法務のDDに比較すると事業DDの実施は、ケースによっては実施しない場合もあります。ただ、買い手にとってはM&Aを行っただけで終わりではありません。
対象事業者と買い手のシナジーをどのように追及していくのか、そのための情報収集・分析・検証作業を専門家を交えながら分析していくことは非常に有益なことです。是非、事業DDの実施も推奨いたします。

4.不動産DD

M&Aの対象事業者の保有する不動産の権利関係を明らかにし、その価値やリスクを把握すること等を目的とします。広義の意味においては、環境調査や建物診断等も不動産の持つ価値やリスクを評価する上では考慮されるべき手続きとなりますので、不動産DDの一つといえます。不動産DDにより保有する不動産評価額をバランスシートの評価額に反映、あるいは債権に対する保全金額評価にも利用されます。
M&Aにおいては保有する資産の換価価値というよりは今後のキャッシュフローの獲得能力評価(事業性評価)に重きがおかれるのが一般的ではありますが、資産性の高い不動産を保有しているか否かもM&A実施における重要な検討項目の一つになることは間違いありません。
不動産DDの実施には、相応の知識と経験が必須といえ、不動産評価の必要性が生じた場合には、あらかじめ手続きの進め方や作業依頼における費用感について事前に専門家へ確認することをお勧めいたします。

5.その他

財務DD、法務DD,事業DD、及び不動産DDはM&Aにおいて比較的多くのケースにおいて実施される手続きですが、その他にも対象事業者の事業環境を踏まえ必要に応じて人事DDや知財DD等の実施を検討する場合があります。
例えば、対象事業者がこれまで所属していたグループ企業からの離脱に伴い、年金制度や福利厚生制度に変更が生じる場合には、そのインパクトを定量的に評価する必要があったり、あるいは対象事業者の事業・技術が十分な知財権でカバーされ、あるいは知財侵害リスクの有無の評価の必要性が生じる場合があります。これらDDの実施はM&Aにおいて必ず実施されるものではないため、対応できる、ないしは経験値の高い専門家はそれほど多くはいません。
必要に応じて知識や経験値の高い専門家への事前相談を通じて実施要否の判断、あるいは不安を解消していくことをお勧め致します。

事業承継/M&Aの相談事例

2019年01月11日 07時45分(I.Wさんの相談)

M&Aの株式評価でDCF(ディスカウンテドキャッシュフロー)法を用いた場合にリスクフリーレートの算定が必要になるかと思いますが、一般的には国債の利回りを使うと聞きます。国債の利回りといっても様々ですが、どの期間が妥当でしょうか。

2件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
2019年01月10日 12時10分(I.Wさんの相談)

M&Aの株式評価の際に算出するNet Debt(ネットデット)は通常の借入金に将来の退職金支払い債務(退職給付引当金)を加算し、そこから現金預金を差し引けばいいのでしょうか。

2件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります
2019年01月10日 07時14分(I.Wさんの相談)

お世話様です。とある会社の買収を検討しています。対象会社は中小企業で、監査法人の監査も受けていません。開示された資料等を拝見すると退職金規定(従業員が対象)がありました。特に貸借対照表に退職給付引当金は計上されていないのですが、どのように評価すればいいのでしょうか。

4件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります
2018年12月28日 08時39分(匿名を希望さんの相談)

立て続けの質問で申し訳ございません。もう一点ご教示ください。
現在複数社のスポンサー候補に声がけ期間中であることは先の質問の通りなのですが、これから予定されているスポンサー候補先からの株価提案について社内でその妥当性の協議が提案の後に行われる予定です。必要調達額は決まっていますので、株価との見合いで議決権比率の問題にもかかわる問題と理解しております。当社は非上場会社ですので株式市場での株価...

1件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります
2018年12月27日 14時27分(匿名を希望さんの相談)

現在、資金調達に向け複数社のスポンサー候補に声がけ中です。今後のステップは、法的拘束力のない意向表明をスポンサー候補から受領し、その中から数社について本格的なDDフェーズに移って頂く予定です。他方で、現在、事業上の重要契約を取引先と締結することで動きをかけていますが、調印日がちょうどDD期間にかかりそうです。DD期間中でも取引先と重要契約を締結しても問題ないものでしょうか。

2件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります

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24年余メガバンクに勤務、税理士業務も出来る経営コンサルタントです。
24年間のメガバンク勤務と5年間の事業会社への経営再建出向の経験をベースに、会計・税務といった税理士業務に関わらず幅広く中小企業経営のサポートを行っ...