2018年02月28日

企業組織再編/グループ組織再編の意義

企業が傘下に子会社や関連会社等を保有している場合には、その企業全体の価値向上が必須です。
傘下に企業群を置く目的は様々ですが、企業価値向上の観点からは、既存事業の選択と集中の継続的な取り組みとともに、新たな事業の取り込みを行い、企業集団全体の価値を向上し続けることが企業集団の経営(グループ経営)といえます。
ここではいくつかの留意すべきポイントについて説明していきたいと思います。

1.グループガバナンス

グループ経営においてどのようにグループ全体のガバナンスを構築維持していくのか、その方針や運用方法を取り組めることは非常に大事なことです。グループガバナンスにおいて留意すべきポイントはいくつかありますが、特に以下の観点が重要です。

①本社機能の定義

本社(親会社含む)の権限をどこまで広げていくのか、例えば、本社と子会社が事業上密接な関係がある場合には本社が子会社の監督のみならずその執行にまで権限を拡大していく、ということは考えられます(グループ一体運営)。
他方で、例えば、各子会社の事業はそれぞれで独立しているということであれば、本社はあくまでも子会社の監督に留まることに徹するということもあり得ます(ポートフォリオ運営)。
グループ一体運営においては、本社と子会社が機能的な繋がりがあるため、子会社の本社への吸収等の組織再編は比較的容易なケースが多い一方で、グループ外への売却は難易度が高く、ポートフォリオ運営においてはその逆が言えます。本社機能の定義が曖昧なままグループが大きくなってくると、従業員間でのコミュニケーションが複雑になり、業務が2重になったり、あるいは責任所在が曖昧になり業務が滞ってしまう等のリスクが生じやすくなります。
小さな組織の中であえて本社機能を定義しない方が柔軟な経営ができる、という考えもありますが、グループの拡大を目指していくのであれば、定期的に本社の定義の必要性、あるいは見直しの必要性を意識することが大切になってきます。

②グループガバナンスの手法

本社機能の定義はいわゆるグループガバナンスの設計にあたりますが、そのグループガバナンスの実効性を確保する際に留意すべきポイントは、役員体制や意思決定機関の設計(会議体の運営方法含む)、役員報酬制度の在り方になります。
グループ一体運営をより実効性のあるものにする場合、例えば、本社の役職員が子会社の役員を兼ねる一方で、役員報酬は子会社の業績に一部連動させる設計にすることで、当該役職員にグループ一体運営を意識させつつ、子会社の業績向上に対するインセンティブを与える方法も一つの選択肢です。
会社の状況をよくふまえた上で丁寧な設計が必要で、安易な制度設計はかえって現場を混乱させ、企業価値を毀損させる要因にもなりますので細心の注意が必要です。

2.法務・会計・税務

グループ組織再編の実施においては当然ながら法務面・会計税務面を考慮する必要があります。

①法務

合併、会社分割、株式交換・株式移転、あるいは事業譲渡・譲り受け等の実施においては会社法上一定の手続を踏まなければなりません。また、他の会社の増資の引き受けや既存株式の取得(買収)による組織再編行為についても通常は法律的な手続が要求されます。
取締役会決議のみならず、例えば、株主総会における特別決議や債権者保護手続等の手続が要求される場合には、多くの利害関係者に対する説明が必要ですし、合併等の場合には、従業員との関係においても雇用契約への配慮が必要となります。また、業種業態によっては、許認可の取得等も必要になる場合があります。
このように組織再編を有効に成立させるためには様々なルールや法的要件をクリアする必要がありますので、その実施には漏れのないよう入念な準備が必要となります。

②会計・税務

会計・税務においては、組織再編の実施に伴い移転する資産・負債の評価額が問題となります。端的に言えば、取得時点の時価に洗い替えるのか、そのまま取得前に付された簿価で引き継ぐのかです。
この点、会計と税務において規定される基準は統一されておらず、それぞれの観点から時価替えが必要なのか、簿価引き継ぎで可能なのかの検討が必要となります。例えば、会計上は時価替えを行っても税務上は簿価引き継ぎということも考えられ、その場合には税務申告書において課税所得計算上の調整対象となります。
会計と税務の処理は、採用する取引スキームによっても結論が変わることが多いため、適切なスキーム選択が必要となります。

事業承継・M&Aの相談事例

2019年02月15日 13時06分(匿名さんの相談)

組織再編の一環で新設分割を企図します。新設分割計画書に記載する新会社の成立日ですが、例えば、3月31日が成立の日とすると、通常の会社設立と同じような手続、例えば、会社設立の前に、公証人による定款認証手続が必要になったりするのでしょうか?

2件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります
2019年02月02日 08時42分(ウッチさんの相談)

一般論で構いませんが、M&Aの実施にあたり仲介会社を通じて行うとどの程度の手数料がとられるものでしょうか。実は仲介会社を通じてM&Aの実施を検討している先があるのですが、手数料が少しお高い印象の提案を受けたものでして。

1件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります
2019年01月18日 12時07分(I.Wさんの相談)

お世話様です。M&A実施における株式評価手法の教科書でよくでてくる純資産法について、実務的にはよく用いられる手法なのでしょうか?どんな場面であればフィットするような手法なのでしょうか?

2件の書き込み/ 2名の士業・コンサルタントが回答
2019年01月11日 07時45分(I.Wさんの相談)

M&Aの株式評価でDCF(ディスカウンテドキャッシュフロー)法を用いた場合にリスクフリーレートの算定が必要になるかと思いますが、一般的には国債の利回りを使うと聞きます。国債の利回りといっても様々ですが、どの期間が妥当でしょうか。

2件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
2019年01月10日 12時10分(I.Wさんの相談)

M&Aの株式評価の際に算出するNet Debt(ネットデット)は通常の借入金に将来の退職金支払い債務(退職給付引当金)を加算し、そこから現金預金を差し引けばいいのでしょうか。

2件の書き込み/ 1名の士業・コンサルタントが回答
ベストアンサーがあります

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