原価管理の基本

2018年03月13日

1.原価管理とは

「原価管理」とは、一般的に、原価の標準を設定してこれを現場に指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営者に報告して原価能率を増進する措置を講ずることと定義されています。
原価というのは、材料費に限らず製品の生産やサービスの提供に直接関連する費用と捉えることもできて、製造業や飲食業などの特定の業種に限らず、サービス業などでも人件費や外注費を原価と捉えて、「原価管理」を行っている企業も多々あります。

「原価管理」を行う目的について、まず、生産やサービス提供にかかる直接の費用の無駄や効率性を把握できることが挙げられ、さらに、価格設定やその企業の損益計算についても「原価管理」が大きな意味を持ちます。
例として、「原価管理」を行っておらず、仕入価格が増加しているにもかかわらず販売価格が一定だとするならば、売上が増加しても利益は減少するかもしれません。
そして、原価以外の固定費を賄うことができ、さらに利益が残るような価格設定を行うためには、「原価管理」が重要な役割を果たすことになります。
また、価格の設定と原価を正しく管理することができれば、その他の固定費を計算することで企業の長期的な損益も計算することが可能になります。
したがって、長期的な経営ビジョンを描いて、それを具体的な数値として落とし込むことにより、経営ビジョンの実現を手助けする事業計画を作成することができるようになります。

このように、「原価管理」の目的は様々ですが、企業に利益を残し、企業の成長を実現するという点で極めて必要なものです。

2.管理上の区分

「原価管理」を大きく分類すると、①原価企画、②原価統制・維持、③原価低減に分けられます。

①原価企画

原価の標準を決める活動のことであり、標準とは、たとえばある製品1個を生産するのに、いくらかけるのかを指しています。

②原価統制・維持

実際の原価を算出して、標準との差を把握し、標準に近づける活動を行う事であり、ある製品1個を生産するのに実際にかかった金額を算出し、原価企画で決定した標準の金額との差を分析して、できるだけ標準に近づけることを指しています。

③原価低減

原価企画で定める標準の額自体を低減させる事であり、原価統制・維持は製造現場で行う活動となりますが、原価低減は、現場の活動を受けて原価企画側が行うものとなります。
つまり原価管理とは、まず、標準原価という目標を定め、次に実際に製品を生産してみて実際の原価と標準との差を分析して、できるだけその差異を詰めていく、詰めることができたならば、今度は標準原価自体を下げて、さらにそこを目指して実際の原価を下げていくという、原価のPDCAサイクルを回すことを指しています。

3.原価管理の具体的内容

製品を生産するために、あらかじめ標準原価の設定や実際原価との比較、問題点の分析などを行いながら、対策を立てて改善することが「原価管理」となります。
そして、製品を生産するために要した原材料や設備費、労務費、諸経費などを金額にして計算します。

製造業においては、標準原価と実際原価の差異や仕掛原価、個別原価などを管理します。
また、製造工程では配合管理、原料歩留り、賞味期限・廃棄管理などを行います。システム製品においては、システム開発などにおけるプロジェクト原価を管理します。

建設業においては、工事進行基準、完成基準などの会計処理に適合した管理も必要となり、原価を正確に把握することでコストの見える化を行います。 

4.まとめ

以上の通り、原価管理は企業が利益を出すために必要な管理手法の一つです。起業して間もない成長ステージにある企業において原価管理をきちんと社内で回す体制が整っていることは稀です。
ただ、次なる成長ステージに飛躍していくためには避けて通ることのできない管理手法といえます。
原価管理導入について自社単独だけでは対応しきれない場合には、外部の専門家なども活用しながら効率的に原価管理が行える体制を作っていくのも一つの選択肢といえるでしょう。

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私は、会計事務所に20年弱勤務したのち、税理士資格取得の上、独立開業の道をたどりました。特に経営分析には多少なりとも自信はあります。