決算早期化/月次決算早期化の重要性

2018年03月15日

1.決算(月次決算)早期化とは

近年、事業環境は日々激しく変化していて、現代の企業経営にはスピードが求められており、そのスピードを上げるために重要な要素となる経営層の意思決定には、実行中の戦略や施策の妥当性を確認するための業績確認が必須となります。
そのようなタイムリーな経営判断を行うためには、できるだけ早く、経営層へ業績が報告されることが重要となり、それには経理財務部門による数値確定を早めること、つまり「決算(月次決算)の早期化」が重要なポイントとなってきています。
「決算早期化」に関する課題として、経営意思決定の迅速化、コスト削減、経理財務部門の高付加価値化といった内的課題や、金融商品取引法の開示要請への対応、東証からの開示要請への対応、IFRS採用といった外的課題などが挙げられます。
「月次決算早期化」は、「年次決算」とは異なり、やるやらないは企業の裁量に任され後回しにされがちです。特に上場企業でなければ、決算開示早期化に関する外部からの要請が少ないだけに、一度組み立てた月次決算早期化体制を維持していくことが難しいこともしばしばあります。
通常、大手企業や上場会社であれば翌月10営業日以内に「月次決算」を完了する場合が多いですが、中小企業では翌月或いは翌々月までかかってしまう場合も珍しくありません。

2.決算(月次決算)早期化の効果

経営者が様々な意思決定をするには、過去の戦略や施策の妥当性を確認するための業績報告が必要となり、業績が少しでも早く報告されることが非常に重要となります。
決算(月次決算)早期化は、経理財務部門の業務の効率化にも最終的には寄与するため、経理財務部門の工数に余裕が出てきます。
その余裕時間を有効に活用することにより、付加価値の高い意見発信や現場部門のサポートをしていくことが可能となり、適時・適切な経営意思決定への支援を実現することにより、企業価値の向上にもつなげることができます。
金融商品取引法や東証においては正式な決算報告を45日以内での開示が求められており、一定のスピード感をもった適正な開示が必要となっていてます。
また、IFRS(国際財務報告基準)については、日本国内での任意適用の要件が緩和され、適用を目指す会社が増えてきています。
IFRSの適用を行う場合には、連結決算日と子会社の決算日について、日本基準のような3か月の期ずれを容認する規定がないので、原則として全ての子会社の決算日を合わせる必要があります。
こうしたことから、子会社の「決算早期化」に取り組んでいる事例が増えていて、一方、子会社の側でも連結パッケージの提出期限が早まるケースが増えており、「決算早期化」への取り組みが増えています。
こうした取り組みを適切に行うことで、投資家からの信頼を獲得していくことが可能となります。
「月次決算早期化」においても、現状把握が早くなることでタイムリーな経営判断が可能になり、例として、月次決算で部門ごとの好不調が明らかになれば、好調な部門に人員やリソースを投入して機会損失を防ぐことができ、不振部門は問題が深刻になる前に原因を分析して対応策を取ることが可能になります。
逆に、月次決算が遅れれば実態把握が遅れ、問題の放置につながってしまうことにもなります。また、タイムリーに損益を把握していることは、金融機関の評価も高く、与信判断時には好材料となります。

3.決算(月次決算)早期化におけるポイント

  1. 「経理財務部門単独のプロジェクトとはしないこと」であり、関連部署や上流部門の協力や当該部署における業務プロセスの見直しが必要となる場合も多くあり、「決算早期化」プロジェクトを経理財務部門単独ではなく、全社を挙げてのプロジェクトと位置付け、経営者からの適切な指示の下スタートさせることが重要となります。
  2. 「地道な作業の積み重ねであるということ」であり、早期化を阻害する様々な課題に対して、どのような解決策が一番効果的なのか、ひとつひとつ紐解いていく作業が必要となります。「決算早期化」に特効薬はなく、解決策はそれぞれの会社ごと組織ごとに異なる場合も多くあります。

4.まとめ

決算(月次決算)早期化は古くて新しいテーマであり、経営者の迅速な意思決定に資するものですが、体制を作り定着させることは難しく、自社単独だけでは対応しきれないことも多いと思いますので、外部の専門家なども活用しながら決算(月次決算)早期化が上手く行える体制を作っていくことも一つの選択肢といえるでしょう。

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