内部統制の基本

2018年03月27日

1.内部統制とは

内部統制とは、会社の経営目標を達成するために、会社で仕事をする従業員全員が守らなければならないルールや仕組みのことであり、社内のルールや仕組みですので、それを決定することも遵守させることも経営者責任の下で実施される業務となります。
経営理念や企業風土といった組織全体に関係するものから、書類の承認・決裁に関する取り決めのような日常業務のルールまで、会社内で行われる業務の全てに組み込まれているものとなります。そのため、内部統制が欠如していたり、有効に機能していないことが原因で不正が発生した場合には、経営者の責任が問われることになります。

内部統制の定義として、「内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令などの遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、①統制環境、②リスクの評価と対応、③統制活動、④情報と伝達、⑤モニタリング(監視活動) 及び⑥IT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される」などと言われております。

2.内部統制の6つの基本的要素

①統制環境

組織風土を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎をなし、リスクの評価と対応・統制活動・情報と伝達・モニタリング及びITへの対応に影響を及ぼす基盤

②リスクの評価と対応

目標の達成に影響を与える事象について、目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別、分析及び評価して、当該リスクへの適切な対応を行なう一連のプロセス

③統制活動

経営者の命令及び指示が、適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続き

④情報と伝達

必要な情報が識別、把握及び処理され、組織内外及び関係当事者相互に正しく伝えられることを確保すること

⑤モニタリング

内部統制が有効に機能していることを継続的に評価するプロセスであり、内部監査が重要な役割を担う

⑥ITへの対応

目標を達成するために予め適切な方針及び手続きを定め、それを踏まえて、業務の実施において組織の内外のITに対し適切に対応すること

3.内部統制の整備と運用

内部統制を実際に構築して評価する場合には、内部統制の①「整備」②「運用」という概念の理解が重要になります。

①内部統制の「整備」

  • 方針や手続きが、社内規定やマニュアルなどに明示され、導入(従業員に周知)されている状態にすること
  • 例として、「交際費の上限金額は一人当り2万円」などの社内規定が存在していて、従業員へ周知している

②内部統制の「運用」

  • 設計されて導入された方針や手続きについて、経営者や従業員がそれぞれの立場で理解して遂行している状態にすること
  • 例として、「上記交際費に係る社内規定の存在、従業員への周知した上で、当該ルールを従業員が遵守している

4.内部統制の限界

内部統制は適切に構築されても、すべての不正や不祥事を防げるわけではなく、あくまでも、内部統制の目的を合理的な範囲で達成するものであり、下記のような限界があります。

  • 組織のトップが不当な目的のために内部統制を無視して無効化する場合(組織トップの暴走)
  • 当初想定していなかった内外の環境の変化や、非定型取引等には必ずしも対応しない場合(海外進出などの未経験取引)
  • 判断の誤り、不注意、複数担当者による共謀によって有効に機能しなくなる場合(経費の申請者と承認者の共謀)

5.まとめ

今回は内部統制の基本的な概念をまとめました。しかし、企業の規模や成長ステージによって構築されるべき内部統制は異なります。
自社の状況を踏まえた適切な内部統制の構築に外部専門家を活用するケースも多いです。
特に、上場を目指している企業においては取引所が求める水準というのもありますので、その分野に詳しい専門家のアドバイスを仰ぎ、効率的にその構築を進めていくのも一つの選択肢といえるでしょう。

内部統制の相談事例

2018年04月18日 13時05分(匿名さんの相談)

まだまだ小さな会社ですが将来的な目標としては上場を視野に入れたいと思っています。
比較的事業も順調に大きくなっているためそろそろ準備に入りたいなと考えております。
そこで内部統制の構築、という課題にぶち当たりそうです。。
これまで事業を大きくすることに注力するあまり、内部の管理体制がかなり脆弱かと思っております。
このようなご経験のある方々、どうされましたでしょうか。

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