2018年04月26日

破産手続の基本的な流れと留意点

1.破産手続きの流れ

破産手続きは、大きくは、①破産手続開始手続②積極財産(債権者への配当の原資となる破産手続開始時における破産者が有するいっさいの財産・破産財団)の確定のための手続・消極財産(破産者の債務)の確定手続、③破産終結手続、の3つに分けられます。
特に重要となるのは破産債権者に分配される配当原資の計算手続である②となります。なお、破産財団は、破産者が「破産手続開始の時に有していた財産」という点で、破産者が「破産手続開始後に得た財産は、破産財団ではなく、破産債権者に分配される配当の原資にはなりません。

2.破産手続の開始

破産手続を開始するには、会社が債務に対する支払の履行が困難な状況に陥っている(支払不能)、あるいは会社の負債が資産を上回っている(債務超過)、の事由があり、破産障害事由がないことが必要となります。
また、破産手続の申立ては、誰でもできるわけではなく、債務者である法人、その取締役・理事、および債権者のみとなります。

3.破産管財人の就任

破産手続が開始されると破産裁判所から破産管財人が選任されります。破産管財人は破産者と破産債権者の立場を考慮しつつ、中立的に破産手続を遂行していく立場となります。
つまり、破産手続の開始とともに、会社代表者(破産者)は会社財産に対する管理処分権を失い、その権限が破産管財人に移行することになりますので、破産手続開始以降は代表者が会社財産を勝手に処分できなくなります。
ここで注意が必要なのが、破産管財人にはさまざまな類型の否認権が認められている点です。否認権とは、例えば、破産者が会社の財政状態が悪化してから破産手続が開始されるまでの間に、破産者の意思によって会社財産を不当に安い価格で売却したりした場合に、破産管財人がその売買契約を否認するようなことも可能となります。

4.配当

破産手続の最終は破産債権者に対して配当を実施していきますが、配当の順位は、債権の種類に応じて異なり、一般破産債権者は優先的な配当を受ける破産債権者が全額の満足を得てはじめて配当を受けることが可能となります。
一般破産債権者はその有する債権の額の割合に応じて配当がなされますが、既に債務超過に陥っている等を考慮すると一般破産債権者がその有する債権全額を回収することは一般的には難しいです。

5.会社破産の代表者への影響

一般的には会社の破産が、その代表者や取締役に影響が及ぶことはありません。法律上、会社と個人は別人格であり会社の財産と個人の財産は別個です。
しかし、日本における金融機関等からの融資実務において、中小企業が融資を受ける場合には、その代表者の連帯保証がつけられるのが通常です。また、事情によっては代表者のみならず他の取締役も連帯保証人になることもあります。この場合、会社代表者等は会社の債務については会社と連帯してその債務の返済を行う必要があります。従い、会社が破産すれば、その代表者等が個人でその債務責任を負うこととなります。これまでは会社が破産すればその代表者等も自己破産を申し立てるケースが多々ありました。
しかし、最近では経営者保証に関するガイドラインが交付される等、経営者の自己破産を極力減らしていく制度の動きがあるなど環境は大きく変化していますので、一人で悩まずに専門家への早めの相談が何よりも大切になってきます。

破産・倒産の相談事例

2019年04月14日 04時26分(M.Tさんの相談)

主要な得意先からの引き合いが減少しはじめここ数年は苦しい状況が続いています。未だ可能性ではありますが、今年度末には債務超過の可能性もありそうです。債務超過になった場合にどのようなことが起こるのでしょうか?倒産しなければなりませんでしょうか。。?

3件の書き込み/ 2名の士業・コンサルタントが回答
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2018年04月18日 06時25分(匿名さんの相談)

残念ながら事業の改善が見られず破産手続に入らざるを得ないかもしれません。。
破産手続を行った場合、当方(社長)も個人破産をしなければならないのでしょうか。
現在、銀行からの借入と個人保証も差し入れています。。

8件の書き込み/ 2名の士業・コンサルタントが回答
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弁護士
東京都
法務面のみならず、多角的視点からの総合的・大局的判断、専門家との協働、迅速かつ柔軟な対応に努めてまいります。
事業再生・事業清算を専門の一つとしております。事業再生・倒産法務の第一人者である小林信明弁護士や、事業再生支援を目的として設立された国...